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青ひげ そっち側の視点

 童話の青ひげって知ってる? 覗いてはいけない部屋を主の居ない間に除いてしまう妃。 そこには先妻たちの死体がころがっている。。というストーリー。 20代かなぁ。青ひげをモチーフにした漫画をwebで読んだ。 妃側の視点で描かれている原作とは異なり、青ひげ側の気持ちが書かれている。 青ひげには兄たちがいるんだけど、青ひげが叫ぶ「兄たちがうらやましい。人から称賛されるもの(弓、剣術など)が得意な兄たちがうらやましい。私にはこれ(拷問・殺人・損壊?)から離れられない」 これ、すごくびっくりした。 それまでそっち側の気持ちを考えたことなかった。 気味の悪いもの、悪、理解できないものというこっち側の視点のみだった。 そっち側は悪を楽しんでいるんだと、思っていた。 そっち側からは、そう見えるのか。 人から理解できないものしかできない葛藤、劣等感。望んでも手に入らない通常の感覚。 あれ?これってものすごく不幸な人なのでは?って、初めてそこで気付かされて。 普通の感覚が持てない人が普通の世界で生きていかなくていけない抑圧された辛さ。そんなものがあるんだと。 商業映画とかって、いかに大金を稼ぐかを目指していると思うので、分かりやすいものが量産される。 それに浸かっていると、勧善懲悪に偏っちゃったりするよね。それは正しい世界なんだけど、そうじゃない世界も必ずある。 あれは出会えてよかった作品だったな。

本屋さんのダイアナ / 柚木 麻子

 読み始め、「あ。小学生の話なんだ」と少しがっかりしました。 二人の美しい女の子の成長物語です。というと、やっぱりファンタジー感するでしょ。 ところが、結構現実的な側面、あるんです。 だけど「美しい女の子二人」っていうのがやっぱり、つまらなさを強調しちゃうんだよな。 人目を引くような選ばれし女子、なんて現実味ないでしょ。 私たちは全員外見は凡人だし中身は変人だし、人目なんか引かないし、ファンタジーは起きないし、ただの生き物なんだよなぁ。 赤川次郎が爆売れしていたころ、必ず出てくる美女にげんなりして読むのやめちゃったころから、あんまり好きじゃないんだよね。美女のお話。 でもね、二人の人生は結構ハードモードなの。想像通りにはいかないの。 そこが好感。現実がちゃんとあるよ。

ポンコツ一家 / にしおか すみこ

 読んでいたらちらほらと自分の親の介護のことが思い出されてちょっと辛かった。 ふと「ああしてあげたらよかった」と後悔、みたいなのがよぎって。 でもね。してあげたこともあったから。まぁいいじゃんと。 いいじゃん、いいじゃん。 もういないんだから、自分に優しくしてあげなよ。

発達障害かもだけど、お金のことちゃんとしたい人の本 / 岩切健一郎

 作者の方も発達障害の特性を持っていて、ご自身の経験と知識を元に書かれています。 文体が読みやすくて楽しく読めます。 なぜか脳内で作者が女性だと判断してしまい、時々気が付いて男性に置き換えていました。 生活の困難にどのように対応したらよいかが分かりやすく掲載されています。 発達障害で発生する困難というよりは、自活し始めると感じる困難のように思いました。 発達障害の脳の特性についても触れている部分があり、興味深いです。 誰しも得意不得意があり、困難を感じた際には乗り越える手法を知れれば自分が生きやすくなれる。そんな内容でした。 国の制度については読み飛ばししてしまいましたが、そういった情報が必要な方にも有効だと思います。

悪女について / 有吉 佐和子

 題名が古臭くて、中々読み始められなかった。 しかし中身は面白い。 1978年の作品なので、当たり前ですが時代を感じるけど面白いね~。 スキャンダルと言う下世話な内容の読みやすさもあるのかな。 一人の女性と関係のあった人たちが彼女との交流を語る形式なんだけど、それぞれで全く違う印象を受けていることが分かる。 人は経験し、影響を受けながら生きていくわけなので、いつも同じ印象の人はそういないと思う。 だけど、この女性は違う。 おそらく自分の事が一番大事で自分のやりたいことに素直に生きていく。 周囲の人間など、彼女のしたいことの栄養に過ぎない。 吸いつくされる人もいれば、彼女と言う大木と共生して花を咲かせる人もいる。 他の作家さんの同じような手法の本はいくつか読んだけど、この本の魅力はなかなかだよ。 すごい人だな。有吉さん!

それでも息子を日本の小学校に通わせたい / 山崎エマ

 新書。 新書は結構苦手なんだけど、なぜか手に取ってしまった本。 プロの文章ではないので単純に読みずらい点、たった一人の「個人」の意見を大きな意見として伝えようとする点、の2点が苦手なんだと思う。 で、この本は文章の読みずらさはなかった。 それでもやはり面白くはないんだよなぁ。 なんだか卒業文集をよんでいるみたい。 「こうことがありました」「こういう良い教訓が得られました」みたいな、子供が自分を評価する人に向かって相手が欲するものはこういうものでしょ?と書いているような文章。 うーん。この人の撮ったドキュメンタリー映画を見る方が、やはり面白いんだろうな。

死にぞこないの青 / 乙一

 再読本。 ずいぶん前に読んで「面白い!」と思っていたのに、ある時再読しようとしたらすごく嫌悪感があって読めなかった。 それ以来、読むのを避けていたんだけど今日は読むことができました。 何をそんなに嫌だと思っていたんだろうなぁ。 いや。結構えぐい内容だけどさ。。 先生が自分の立場を守るために小学生のマサオを「さげすんでもいい存在」の位置づけにし、それが同級生にも浸透していくお話。 ホラー要素もあるんだけど、私が怖かったのは↑上部だったなぁ。 そういう時ってどうすればいいんだろうね。 私が級友だったら保身で、知らないふりもしちゃいそうだし、(無力!) 「正しい」のコーティングで暴力を振るわれると、どう抵抗したらいいか分からないよ。。

みずいらず / 染井為人

 染井さんといえば「悪い夏」。 人の悪い部分に焦点を当てている作品のイメージだったけど、今回は家族のお話。 去年の11月に私はテレビを見ていて染井さんを見つけ、この本を書かれていることを知りました。 半年後に読めたんだね。 その時に書いていた感想↓ 「お話を聞いていて面白いことに、自分で執筆をされながら同時に読者のように登場人物を見ていらっしゃる。」 おそらくご自身をモデルに書かれている最後の「シングル」の中で同じようなことが書いてあってうれしくなる。 今までとずいぶん雰囲気違う内容だったけど、染井さんの作品なのでただの「良い話」ではなくちゃんと人のずるいところも書かれているのが良かったな。

硝子のハンマー / 貴志祐介

 再読本。 面白いなぁ~。何度読んでも面白い。 犯人の生い立ちのストーリーが特に好きで、ひりひりするような逃亡生活から脱出しようともがく犯人を応援してしまう。 トリックも本当に面白い。けれど人間模様もやっぱり面白い。 世の中には本がたくさんあって私は幸せだなぁ。

正体 / 染井 為人

 エンタメ小説としての完成度が高いなぁ。 読みやすい。 結構なページ数なのにページをめくる手が早い。 映画のcmで見た横浜流星さんの憔悴した表情がちらついた。 うん。ぴったりかも。 映画、見てみようかな。

PARTNER / 名香智子

 ebookで5巻まで立ち読みさせてもらいました。 実家にこの漫画本があった。懐かしい。 今読んでも本当に面白い。絵が少女漫画!って感じなのに中身はリアルな心情が描かれてる。 上質だなぁ。 こんな上質なものを子供が呼んでいたなんて信じられない。大人が読める内容だよね。 背景も動物の何もかもきれいで本当に素敵。 ebookさんもう一度読ませてくれてありがとう。。

十戒 / 夕木 春央

 「じっかい」って読むんですね。「じゅっかい」だと思ってました。 変換候補に出ないな~って悩んじゃった。 夕木さんの作品を読むの3冊目かな? 面白かったけど、後説が読み終わった私につけ火しました。 う~ん。そう考えると、やっぱり面白さが倍になるよねぇ。 シリーズ化してほしいけど、そうするとかなり怖い人が世に放たれてしまう。。

うつヌケ / 田中 圭一

 再読本。 身近に鬱の症状で長く苦しんでいる人がいたので、少し理解ができるようになるかと購入した。 漫画なので読みやすい。読みやすいってすごく重要で、多くの人に手にとりやすい。広まりやすい。 広まってほしい。 再読して私の中にこの内容が落とし込まれている部分がいくつかあって、ちょっと驚いた。 あと、作者が伝えたいことが分かっていない部分もあって、それも新鮮だった。 漫画だし、読みやすいんだけど、後半に行くにしたがって読むスピードが遅くなる。 たぶん、理解するのが難しくなってるんだと思う。 本って少しづつ、少しづつしか入っていかないんだよね。 だから何度も読む。その時々で理解する部分が違う。 だからやっぱり面白いんだよなぁ。

死んだ山田と教室 / 金子 玲介

 予想以上に面白かった~。 面白くて、優しくて、ちょっと怖くて悲しくて。 もう一度読み返して、やっぱりみんな優しくて。こんな優しい人いる?!ってくらい優しくて。 良かった。 途中、山田がいなくなっちゃうんじゃないかと怖くなって、 話が進むにつて、少しづつ山田の周辺の秘密が話されて、 「そうだったのか」と悲しい部分もあって。 本当、良かった。 男子校のノリが吉田秋生さんの「河よりも長くゆるやかに」を思い出したりして。 あ~。懐かしい。「大地とファック」笑。 もう、映像化した方も見たくなっちゃった。

ルパンの娘 / 横関 大

コメディ。 ちゃんとどんでん返しがあって楽しめる。 深キョンが主人公役でドラマ・映画化しているので、深キョンの顔がちらつく。 深キョンのキャラクターと相まって面白かったんだろうな。

ひどい民話を語る会 / 京極 夏彦, 多田 克己, 村上 健司, 黒 史郎

 ひどい民話を題材にトークした内容を本に書き起こした本。 どう「ひどい」かというと、くだらなかったり残虐だったりオチがなかったりと様々な種類の「ひどい」 私的には「オチ」がない話がひどい。なんだそれー!って感じ。 通勤の行き帰りに読むんだけど、マスクの中でニヤニヤと笑けてくる。 巻末に赤塚不二夫さんのギャグがうすら寒いという表現が出てくるんだけど、この本もちょいちょいうすら寒く、笑えない個所もある。 しっかし、みんな下ネタ好きなんだな! 子供相手に語る民話の内容だからか、荒唐無稽!下ネタ満載!

再会 / 横関 大

 ドラマを見ていた大ちゃんが面白いので原作読んでみたらと言ってくれたので、読んでみた。 文章が読みやすくてストレスがない。 ドラマを見ていて「それは無理がある」と感じた部分が原作と異なっていたので、私としては原作の方が素直に読めた。 竹内涼真さんの役柄が原作では粗野なので、ドラマはイメージを壊さないように、女性受けしやすいように変えたんだろうな。 最後まで工夫されたストーリーで面白い!

生殖記 / 朝井リョウ

 いや何これ。面白ろ。 どこまでこの面白さが続くのかと思ったら、最後までちゃんと面白かった!! 徹頭徹尾、ブレがない。 朝井リョウさん、今までどんな作品を…?と思ったら「正欲」読んでた。 こちらも面白かったな~。 「何者」映画で見ちゃったんだよなぁ。本を先に読めばよかった! 人とは別の思想をもっている、人の一部が主人公のお話。 それって生殖本能なんですけどね。 ちょっと「寄生獣」のミギーを思い起こさせる。(上品さかな?) 生殖記では一方的に生殖本能が思考しているだけで、くっついている人との意思の疎通はできない。 その主人公がヒトを考察するんだけど、視野が広い。 あらゆる悩みにあてはまるような考え方をしていて、納得感は少ないんだけど、こういう考え方もあるのか。とふむふむ面白い。 面白いよ~! いやぁ。作者本当すごい。 思考してまとめて、一般人が楽しめるエンタメまで落とし込んで天才か。 この長尺の語りを延々とできるって、そうとう。 はぁ。読めて良かった。。

死ねばいいのに / 京極夏彦

 久しぶりの京極さん。 題名からして珍しく現代のお話なのかな?と手に取った。 会話劇で頭の中と会話とが表現されていて、なにせセリフが多い。 「ミステリと言う勿れ」の整君バリです。 感情を排除して正論をぎゅうぎゅうと押し付けてられる感じ。 整君にも感じるんだけど、人の感情を読み取るのが苦手な発達に障害があるタイプの人のように思える。 生きることは生物の根源なので「死ねばいいのに」と言われて「そうしよう」と実行することにはならない。 ましてや「そうだね」と言ったからといって殺されてはやるせない。 あまりにも、乱暴だよ。

グッドラックららばい / 平安寿子

 手持ちの未読の本がないので本棚の本を再読。 好きなんだよな~。このお話。 片岡家の人たちがみんな自分の足で立ってる。 自分自身を良く知っていて、生き方を選んでいる。そんな感じ。 こんな生き方をしてもいいんだと気が付かせてくれた。 私は私の気持ちがいいように生きていいんだ。 何回か目の再読だけど、やっぱり面白い。 母が読んだら「この本はよくない」と言っていたけど。笑。