デッドエンドの思い出 / よしもとばなな

未読の本が手元になくなっちゃったので、またしても本棚から発掘。

これを購入したのは20年前? (それでも30代か。ずいぶん年を取ったな。)

そんな前なのに、この本に出会った時のときめき覚えてる。

わくわくしてどうしようか一瞬迷ってやっぱりときめき優先で購入したんだよな。


読み返してみて、「おかあさーん!」が、今の私には響いた。

題名から推測される母への思いというところではなくて、突然傷つけられた体から少しづつ回復していく過程で、悪意のない人から今度は心を傷つけられるところ。

意外なことに実際の体の傷よりも悪意のない人からのナイフの方が、深く深く傷がつく。

ばななさんって、すごい人だなぁ。

作家ってすごい職業なんだなぁ。

経験があるのか、無くてもも心の襞が読めるのか。

私は自分が経験するまで分からなかった。

社会は健康に働ける人しか視界に入らないし、ナイフは目で見えるものばかりでもない。

そういった目に見えないものが20年前の本に書いてあるんだもん。

もっと年を取って読んだら、また違うものが見えてくるんだろうな。楽しみだ。

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